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取締役経営企画本部長
INTERVIEW

一人ひとりがもっと自由に、
Visionを追い求めて

働ける会社へ

かぶ き たかひろ

蕪木貴裕

取締役経営企画本部長
兼財務経理本部長

事業会社の経営企画を経て2013年に入社し、財務経理や物件取得に従事。2016年に一度退職し、再び事業会社の経営企画を経て2019年に再入社。現在は開示・IR業務やコーポレート管理業務、財務経理業務に従事。

5年間の大学休学とジョブリターンを経て掴んだ、自分らしい働き方

蕪木さんはジョブリターンで復職されているそうですね。

そうなんです。これまでのキャリアを簡単にご説明させていただくと、新卒で入社したのはある半官半民の会社になります。実は大学時代に長いこと休学し、音楽活動に打ち込んでいたことがありました。とあるコンテストで優勝したことをきっかけに事務所からオファーをもらい、プロを目指してみるという機運になったんですね。やはり厳しい世界でしたので、バンドでは芽が出ず、結果的に9年大学に在学した後に通常のコースを歩むことにして、就職したという経緯があります。新卒社員なのに27歳でした(笑)。その後、当社に転職し約3年間在籍したものの、一旦退職してメーカーへ転職し、再度当社に復職して現在に至ります。当社では財務やアクイジションも担当していましたが、自分のキャリアの中心と言えるのは経営企画や経営管理の分野です。

現在は経営企画本部に所属し、人事や総務、情報システムなどのコーポレート機能と、REITの投資家とコミュニケーションを図る開示業務やIR業務を管掌しています。

大学を休学して、音楽活動をされていたんですね。

今となってはお恥ずかしい話ですが(笑)、私にとっては非常にいい経験だったと思います。社会人のスタートは遅れをとってしまいましたが、やっぱり通常の大卒→就職というルートでは経験できないようなことをたくさん経験できたおかげで、常識や定石に囚われず、周囲の素晴らしい意見を取り入れながら本質的に「いい仕事」を探求していく柔軟性が育まれたのではないかと思います。また、私にとって「社会人として働くこと」は当たり前なことではなく、あえて自分で選んだ道ですので、単なるお金稼ぎとは捉えず、社会や従業員、そして私自身にとっての仕事の本質的価値を強く意識しています。そのため、日頃からモチベーション高く、楽しく仕事ができているのだと思います。

大学を休学し、音楽活動に打ち込んでいた時期の蕪木大学を休学し、音楽活動に打ち込んでいた時期の蕪木

復帰したことで見えてきた風景

復職されて、あらためてどのような企業風土だと感じましたか?

復帰した理由は組織の物足りなさにありました。前職も意見を言いやすいフラットな環境ではありましたが、大規模な組織では意思決定まで幾重にも会議を重ねる必要があるため、何かを動かすには無駄な時間や労力もかかり、また個人としての裁量にも限りがありました。上の役職の方を見ても、結局大きな組織の歯車の一つで、イチ担当でしかなかった私の星野リゾート・アセットマネジメントでの働き方の方が、よっぽど自由で裁量を持っていたなという感覚を持ったのです。

形式にとらわれず、常に本質的に意義を問いながらVisionに向かって邁進できる仕事環境を求めていたことに気づき復帰したわけです。こういう要素が当社には企業風土としてあります。一例で言いますと、誰が言ったかではなく、何を言ったかを大切にしているところ。キャリアや性別、年齢などに関係なく意見を言える・聞いてもらえる環境があります。また、ある程度スキルを持っていることが前提ですが、細かく管理されるのではなく自立して裁量を持って仕事を進めることができます。他には社内説明のための資料作りに時間をかけすぎず、場合によっては口頭説明で構わないので、スピード感を持って仕事を推進することが推奨されていること。そして会社の意思決定も早いこと。「仕事のための仕事」を遂行することで達成感を得るのではなく、投資家様やステークホルダーたちにとって、本当に価値のある仕事に向き合い行動し、実際に何かを変えたことでの達成感が得やすい会社だと思っています。

最後に旅行やホテルそのものも好きなため、趣味と仕事の垣根を余り感じることなく仕事ができるというのも付け加えておきます(笑)。

復帰したことで見えてきた風景

金融の枠組みの中でも自由に働ける会社を作りたい

金融の枠組みの中でも自由に働ける会社を作りたい

まず、観光産業は、日本の成長において非常に期待されている分野ですが、日本における観光業の労働生産性はまだまだ低く、人材の定着や付加価値の向上など多くの課題が残っています。現況のままで規模拡大を図ったとしても、人口減少局面に入った日本において、労働力の確保はさらに困難になっていくことは想像に難くありません。幅広い地域で成長産業となる可能性があるからこそ、本当に価値のある観光やホテルを提供し、今以上に労働生産性の向上に対して本気で向き合わなければ、観光立国としての実現は難しいと考えています。そのためにも、私たちが期待されていることは、観光業界における労働生産性の常識を変え、日本の宿泊業・観光業におけるロールモデルになることではないかと思います。そのために、スポンサーと共に星野らしい付加価値向上に尽力し、より価値の高いサービスや体験を届けていけるようになっていきたいと思っています。

また、資産運用会社として観光産業の労働生産性の向上という大きな課題解決に向かうためには、社員一人ひとりが自律的に考え、行動していくチーム力を高めていくことが重要です。運用額が大きくなるにつれ、組織規模も比例して大きくなりましたが、まだまだ多様な人材の能力を最大限に発揮できる自由な組織にしていけると思っています。組織が大きくなるプロセスで、その秩序を維持するために、社内のルールは増えていきがちです。過剰なルールは各自の自由を妨げ、それは意図していない負の影響を組織に与えてしまいます。私たちは、細かいルールではなく、一人ひとりが VisionやチームのためにMature(大人) な発想を持つことで組織としての秩序を維持すると同時に、社員の自由を確保できる組織を目指しています。顧客や社会への貢献を全員が真摯に考えた結果、不動産金融業であるがゆえの法律など厳格なルールがある中でも、もっと自由に活動できる組織の在り方が見えてくるのではないかと考えています。

今後挑戦してみたいことはありますか?

このような組織づくりをベースとして、IR活動や開示書類を通じて、投資家の方と良好なリレーションを構築し、企業価値を向上することです。そのために、投資家やステークホルダーへの説明責任を果たしていくことが使命だと考え、日々取り組んでいます。しっかりと事業の状況を理解していただけるように、事業の好調な面だけでなく「課題」も隠さず説明する透明性のある開示は強く意識しています。また、スポンサーの星野リゾートも日々話題が多い企業ですし、写真映えする物件も多いので、開示資料についてお褒めの言葉をいただく機会は多いです。ただ、星野リゾートの文化、つまりは“星野リゾートらしさ”が施設の魅力を創っていて、それが多くの人々を惹き付け、我々REITのキャッシュ・フローの源泉になっていることを考えると、我々の開示・IRもより一層“星野リゾート・リートらしさ”を追求していくことが必要だと考えいます。まだREIT業界の常識に囚われている部分も多いので、さらなる企業価値の向上に向けて一人ひとりが既成概念に囚われず、チーム全体で大胆な開示・IRを行っていきたいです。

ワカモノインタビュー

蕪木と同じ経営企画本部に所属する、入社1年目の原田がインタビュアーを担当。業務を通してはなかなか聞けないプライベートな話題から過去の挫折まで、あらためて聞きました。

ワカモノインタビュー

原田:いつも冷静に正確な仕事をなさっていて、どんなことを聞いても論理的にわかりやすくお話しいただくのですが、心がけていることはありますか?

蕪木:そう見えるのは、数学科出身という出自が関係しているのかもしれません(笑)。性格的に染み付いてしまったのか、物事の論理や根幹を知らないと納得できない性分なんです。与えられた情報をそのまま使うことがどうしても苦手で、すべてにおいて大元のエビデンスや根拠を調べたくなってしまうんです。数学的に言えば、定理を鵜呑みして使うのではなく、定理の証明まで見ないと納得ができない。だから若い頃は仕事の取り掛かりは人よりも遅くなってしまうことも多かったけど、今はこのスタイルを積み重ねたおかげで表面的な事実のみではなく一から論理立って説明できることが多いのかもしれないです。

原田:音楽活動のお話でプライベートな一面が垣間見えたのですが、休日はどんな過ごし方をしていますか?

蕪木:オンオフのスイッチをしっかり切り替えないと持続的に頑張れない性格だから、休日は仕事のことは完全に忘れて家族と一緒に過ごしていることが多いですね。子供がサッカーを習っているので練習を一緒にしたり、試合観戦に出かけたりするし、その縁で息子の同級生の親御さんとも仲良くさせてもらっているので、子供を含めてみんなで集まって遊んだり。夏は地域の祭りに参加したり、冬はスノーボードに行ったりもしますね。

原田:今までで印象に残っている仕事での挫折を教えてください

蕪木:今感じている壁のことを話すと、「良い職場」のためにすべきことの最適解がなかなか見出せず、暗中模索なこと。それはきっと、採用から育成、配置、評価とあらゆることと繋がっているから。改善できるところはすぐに試しているけど、一つの問題を解決すれば良いのではなく、俯瞰して見ながら、もっと緻密に考えていかなきゃいけない課題だと思っています。組織づくりにおいては他社の成功事例がそっくりそのまま当てはまることがないので、自分たちでもがいて答えを出すしかない領域。これをやり切るのが今のミッションだし、壁ですね。ポジションや年齢に応じて、乗り越えるべき壁がやってくると考えているけど、今の私にとって乗り越えるべき壁が見えて、試行錯誤しているところです。

ワカモノインタビュー

  • 原田さん
  • 企画管理部 開示・IR

ワカモノプロフィール

入社1年目。前職の大手銀行では法人営業を担当。現在は蕪木と共に、未経験の開示・IR業務に携わる。